サイトが真っ白になってしまった・・・
Webサイトをカスタマイズする際、「HTML」や「CSS」ファイルを修正したり追記して、作業をおこなっているかと思います。 また、CMSであれば、テンプレートを管理画面から直接触ったりしますよね。
カスタマイズをはじめたばかりですと、書籍やブログ記事などを参考にして、見よう見まねで作業をすることが多いと思います。 しっかりと書いたつもりが、ちゃんとコピー&ペーストしたつもりが、誤った記述をしてしまい、「サイトが真っ白になってしまった・・・」なんてこと、経験ありませんか? しかも、ちゃんと見て書いたつもりでいるので間違いに気付きにくい・・・。
わたしもカスタマイズ中に記述のミスをしてしまい、サイトが見えなくなり、慌ててしまった経験があります。 その時はカスタマイズに取り掛かってすぐでしたので、元のテンプレートを上書きして復旧することができました!
でも、これがカスタマイズをがっつりとしていた場合はどうでしょうか・・・考えるだけでぞっとしますよね。 こまめにバックアップを取っていれば何も怖くないのですが、バックアップがない場合、復旧というより、再度のカスタマイズが必要になってしまいますね。
そこでこの記事では、バックアップの手順や、わたしが実際におこなっている作業など、「いざという時のためのバックアップ」をお伝えいたします!
目次
まずはバックアップの下準備
それではまずは、バックアップの下準備からはじめていきましょう! バックアップを取る場合、サーバーにアクセスしたり、CMSの管理画面にアクセスする必要があります。
CMSでサイトを運用している場合は、ログインID,PWは控えてあるかと思いますが、サイトのファイルが置いてあるサーバーにアクセスするために「FTPソフト」を用意し、必要な時にサーバーにアクセスできる状態にしておくと安心です。
FTP情報を取得しておこう
FTPとは、インターネット上でコンピュータ同士がファイル転送をするときに使われる通信上の約束ごとのこと。 FTPとは、File Transfer Protocol(ファイル・トランスファ・プロトコル)の略で、サーバとクライアントという2台のコンピュータ間で、ファイルを転送するためのプロトコル、つまり、通信上の決まりごとのひとつで、Webサイトからデータをダウンロードする際や、ホームページ作成時にデータをサーバにアップロードする際に使われます。
FTPは簡単に説明すると、デスクトップ上のファイルをサーバーにアップロードしたり、サーバーにあるファイルをデスクトップにダウンロードすることです。
次に、FTPソフトを利用してファイルの操作をおこなう場合「FTP情報」が必要になります。
普段からサーバーにアクセスをしてサイト運用をされている方は、FTP情報をすでにお持ちかと思いますが、CMSの管理画面だけでも最近はサイトを作成できますし、運用に困らないことも多いため、FTP情報が分からないという方もいるかもしれません。 しかし、「FTP情報」を知らないと、管理画面でエラーが出てしまった際に操作がおこなえず、元に戻すことができなくなってしまうことがあります!
そのため、CMSだけで十分という方も、必ずFTPソフトを用意しておき、いつでもサーバーにアクセスできるようにしておきましょう。 直接画像をアップしたり、CSSの調整をしたり、FTPを使うとサイトのカスタマイズも捗るのでオススメです。
「FTP情報」はサーバー会社から提供されることがほとんどですので、分からないという方はサーバー会社に連絡して、FTP情報を確認しておきましょう。 また、サーバー契約の際の控えメールなどに記載があることも多いですので、メールボックスをチェックすると見つかることがあります。
FTPソフトを使ってサーバーにアクセス
「FTP情報」がわかったら、「FTPソフト」を使ってサーバーにアクセスします。 ここでは、いくつか無料の「FTPソフト」を紹介したいと思います。
FileZilla(win,mac)
フリーで高機能なFTPソフト。 windowsでもmacでも利用でき、「SFTP」にも対応しています。
個人的に速さや分かりやすさの面で使いやすいと感じていて、さらに「SFTP」にも対応しているので、普段「FileZilla」を利用しています。 macでも利用できることも嬉しいです。
「SFTP」はSSHという仕組みを仕様して、より安全にファイルを転送すること。 FTP接続ができないサーバーの場合、SFTP接続が可能なFTPソフトを利用しましょう。
FFFTP(win)
フリーのFTPソフト。 老舗のFTPソフトでこちらを使っている方も多いのではないでしょうか。 分かりやすい画面で利用者数も多い印象です。 「SFTP」接続には対応していませんが、「マスターパスワード」などセキュリティ面も安心です。
windows + レンタルサーバーであれば、FFFTPで十分かもしれませんね。
Cyberduck(mac)
使いやすいシンプルなインターフェースが特徴の「SFTP」「FTP」ソフト。 ブックマーク機能なども便利です。
ファイルのアップロードやダウンロードは、ドラッグ&ドロップだけでおこなえますが、サーバー側の画面のみの表示となり、ローカルとサーバーの両方を表示して、ファイルの移動をしたい場合には「FileZilla」をオススメします。
しかし、アヒルのアイコンが可愛い点はポイントが高いです。
「FTP情報」が分かり「FTPソフト」を使ってサーバーにアクセスできましたか? これでバックアップの下準備が整いましたので、バックアップの話を進めていきましょう。
ファイルの「コピー」を習慣にしよう
CMSを利用していないサイトや、賢威のHTML版を利用している場合は、「FTPソフト」を使ってサーバー上のファイルにアクセスしているかと思います。 その場合は、追加・修正の度にこまめにバックアップを取ることをオススメします!
わたしは作業の際に「最新のファイル」をサーバーからダウンロードし、「日付_index.html」のように日付を先頭に付け、バックアップ用のフォルダに保存するようにしています。 そして改めて「最新のファイル」をサーバーからダウンロードし、HTMLエディタなどでファイルの編集をおこないます。
デザインを調整するために「CSS」ファイルを編集する際も、同様に「日付.design.css」として、編集前の状態にすぐに戻れるようにしています。
ファイルをコピーしておくことは、一番簡単で、一番分かりやすいバックアップ方法だと思いますので、バックアップ作業を習慣にしておくと、もしもの時に救われます。 また、WordPressの管理画面から「PHP」ファイルを操作する場合も、変更前のファイルをコピーしておくと、真っ白になってしまった際に元に戻すことができます。
ファイルの「コピー」をするだけで、多くのリスクを防ぐことができると思いますし、変更前のバックアップを取っておくことで、「以前の状態に戻る」ことも可能になります。 特に「CSS」は段階的にバックアップを取っておくと、デザインの変更の確認もしやすいのでオススメです!
WordPressのバックアップをしよう
それでは次に、「WordPressのバックアップ」について紹介してきたいと思います。 WordPressではテーマフォルダのほか、プラグインやアップした画像、投稿した記事など、バックアップ対象が多くなるので、作業の度に全てをコピーするのは難しいですが、もしもの際に「ちゃんとサイトが動いている状態」に戻すために、必要最低限のバックアップは定期的におこなうようにしましょう。
説明ではWordPressのバージョンは「4.2.4」を利用しています。
「テーマ」と「プラグイン」と「画像」のバックアップ
WordPressの「テーマ」「プラグイン」「画像」のバックアップを取りましょう。
1.FTPでWordPressがインストールされているディレクトリの下にある「wp-content」にアクセスします。
2.「wp-content」の中にある「themes」「plugins」「uploads」をダウンロードします。
3.ダウンロードができたら「日付_wp-content」ような名前を付けたフォルダに入れて保存します。 日付以外にも振り返って分かる名称でも問題ありません、自分で管理のしやすい名称にしてバックアップを取っておきましょう。
プラグインのバックアップは不要に感じるかもしれませんが、管理画面でプラグインの設定を変更した場合や、アップデートで仕様が変わることもあるので、すぐに復帰できるようバックアップすることをオススメします。
また、都度すべてのファイルをダウンロード、特に画像ファイルは容量が大きいですので、テーマだけのバックアップであれば、「themes」の中の特定のフォルダのみのダウンロードでも構いません。 賢威であれば「keni62_wp_corp_150408」のような名称になっています。
ファイルが多い場合には、FTPソフトが途中で止まったりすると怖いので、フォルダ毎にダウンロードしても問題ありません。 決まった期間で定期的にバックアップを取るようにスケジュールを考えておくと安心ですね。
記事は定期的にエクスポートしておこう
記事はサイトで最も重要なコンテンツだと思います。 ブログ記事以外にも、ランディングページやウェブページとしても、活用していることがあると思います。 定期的にバックアップを取るようにしておきましょう!
1.WordPressの管理画面で「ツール」→「エクスポート」にアクセスします。 2.「すべてのコンテンツ」が選択されていることを確認し「エクスポートファイルをダウンロード」をクリックします。
3.自動的に「wordpress.2015-09-10.xml」のような名前のXMLファイルをダウンロードされます。 これが記事のデータです。 定期的に上記の操作をおこない、記事のバックアップを取っておきましょう。
記事のインポート
先ほどの工程で記事のエクスポートをおこないました。 念のため、ダウンロードした「wordpress.xxxxx.xml」ファイルのインポート方法を予習しておきましょう。 ※実際にインポートすると記事が重複してしまう場合があるので、必要な時にインポートしましょう。
1.WordPressの管理画面の左メニューから「ツール」→「インポート」と進みます。
2.インポート元のシステムを選択してください。 という画面に移動するので、「WordPress」を選択します。
3.「WordPress インポートツール」をインストールして、インポートを進めていきます。 「バージョン 0.6.1 」のインポートツールで説明しています。
4.「参照」からエクスポートしておいた「wordpress.xxxxx.xml」を選択し、アップロードします。
5.インポートの際、元の記事の筆者の扱いを聞かれます。 新たな筆者(ユーザー)が必要な場合は「create new user with login name」にユーザー名を入力します。 元のユーザーから選択する場合は「assign posts to an existing user」からユーザーを選択します。
この一連の作業で記事のエクスポートは完了です! 意外とカンタンに進めらましたね。 プラグインが必要になるので少し難しく感じますが、インポートの方法を知っておくと安心ですね。
データベースのバックアップ
基本的なバックアップはこれまでに紹介した、「wp-content」の必要なファイルで十分ですが、データベースのバックアップも取っておきたい!という方のために、定期的にデータベースのバックアップが取れるプラグインを紹介している分かりやすい記事がありましたので、そちらを紹介します!
「BackWPup」でWordPressを丸ごとバックアップ
あらゆるリスクに備えてデータのバックアップは不可欠だ。 そこで、次の2つを叶えるバックアップができればかなり心強いだろう。
- 定期的に自動でバックアップが取れる
- 自動バックアップのスケジュールを自由に設定できる
詳しくは後ほど解説するが、数多くある WordPress のプラグインでこれを可能にして、安定的な動作をしてくるのが「BackWpup」である。 ここでは、 BackWPup を使ってファイルとデータベースのバックアップを取る方法をご紹介しよう。
キャプチャも多く、とてもわかりやすい説明なのでぜひ参考にしてみてください。
MovableTypeのバックアップ
MovableTypeのバックアップについて紹介します。 ここでは「MT6.1.2」のバージョンを利用しています。
バックアップと復元
公式の「Movable Type 6ドキュメント」内でキャプチャ付の説明がありますので、こちらの紹介となります。
Movable Type で管理している、記事、ウェブページ、コメント、トラックバック、ブログにアップロードした画像、テンプレートなどを、まとめてバックアップします。 サイズが大きい場合は、圧縮したり、複数ファイルへの分割もできます。複数のブログをまとめてバックアップすることも可能です。
管理画面から全体のバックアップができ、zipファイルなどでデスクトップ上に保存できので便利ですね。 定期的にバックアップを取るようにしましょう。
「ファイルへのリンク」を利用したテンプレートのバックアップ
MTのテンプレートを保存すると「更新履歴」にリビジョンが追加されますので、ある程度はバックアップは準備されています。 念のためテンプレートを更新する度に別の場所に保存したい場合は、「ファイルへのリンク」を利用することで最新の状態を別のフォルダに保存することができます。
以下の条件で考えてみます。
- サイトは「ドメイン/site/」「site」というディレクトリで公開しているサイト
- バックアップは「ドメイン/site/BU/」に保存
- ウェブサイトのメインページをバックアップする
1. まずはバックアップを保存するフォルダを作成
ここでは、「ドメイン/site/BU/」に保存したいので、FTPソフトを使って「site」内に「BU」を作成します。
2. テンプレートの編集画面で「ファイルへのリンク」を設定
テンプレートの編集画面にある「ファイルへのリンク」項目に任意のフォルダ(ここではBU)とファイル名(ここではindex_bu.html)を入力します。
3. ファイルを確認
さきほど作成した「BU」フォルダを確認してみます。 作成されるファイルの拡張子は設定したので「HTML」ですが、MTテンプレートが保存されています。
このように「ファイルへのリンク」を設定しておくことで、最新のテンプレートをバックアップすることも可能です。
もともと「ファイルへのリンク」は別の編集ツールでテンプレートを作成している場合に利用しますが、バックアップとしても利用することができます。 実は公式のドキュメントでも書かれているので、ファイルへのリンクの構造など詳細は公式のページをご覧ください。
ファイルへのリンク : Movable Type 6 ドキュメント
記事のエクスポートとインポート
MovableTypeでも記事は重要なコンテンツですので、エクスポートの方法は抑えておきましょう。 こちらも公式のドキュメントがわかりやすいので、紹介いたします。
記事のエクスポート/インポート機能は、別の Movable Type に記事を移動したり、簡易バックアップに利用します。 記事の本文、概要、キーワード、カテゴリなどのデータに加えて、投稿者、コメントのデータを含めることができます。 記事のカスタムフィールドもエクスポートすることが可能です。
MovableTypeのバックアップについて、公式のドキュメントをメインに紹介しました。 基本的にはサイト全体と記事の管理を中心にデータのバックアップをしていくと安心ですね。 ファイルへのリンクは、わたしが過去にこういった管理をしていた時期がありましたので挙げてみました。
また、原始的ではありますが、MTのテンプレートをテキストエディタなどにコピー&ペーストして、保存しておくこともオススメです! 大きなバックアップは定期的におこなうとして、カスタマイズの際には必ず「コピー」してバックアップを取ることは、MovableTypeに関わらずポイントになると思います。
バックアップのまとめ
いかがでしたか? この記事では「サイトが真っ白になってしまった・・・」というような、もしも時のためのサイトのバックアップについて説明、紹介いたしました。 まとめてみると、以下の3点がポイントになりました。
- 「FTPソフト」でサーバーにアクセスできるようにしておく
- 定期的にファイルをダウンロードして、保存しておく
- プラグインやCMSの機能を利用して、サイト全体のバックアップを設定しておく
CMSなどのシステムが入っていると、どのファイルをバックアップしておけばいいか分かりづらいものです。 また、プラグインだけでは、復元が大規模になってしまい、細かな修正やカスタマイズが難しく感じてしまいます
そこで、オススメしたいことは、必要なファイルをこまめにコピーしてバックアップを取っておくこと。 意外なことではなく、とても簡単で基本的なことですが、サイト運用を続けていくとこれほど大事なことはありません。
このブログでは「WordPress」や「MobaleType」「賢威テンプレート」のカスタマイズをメインに紹介していますが、実際に記事を見てカスタムされる場合は、この記事のようにしっかりとバックアップを取ってからカスタムに挑戦してみてください! 安心してカスタマイズがおこなえますし、すぐに復旧できることが分かれば、いろいろなカスタムを思いきって試すことができるようになると思います。
この記事がバックアップを習慣にするきっかけになればと思います。